特定調停とは

特定調停とは、このままでは債務の返済ができなくなるおそれのある債務者(特定債務者)の経済的再生を図るため、特定債務者が負っている金銭債務に係る利害関係の調整を行うことを目的とする手続です。
特定調停は、個人・法人を問わず、このままでの状況では経済的に破綻するおそれのある債務者が、債権者と返済方法などについて話し合って、生活や事業の建て直しを図るための手続として、民事調停の特例として平成14年2月に定められました。
特定調停では、任意整理と同様に、債権者からこれまでの取引履歴を開示してもらい、借金をした当初にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)による引き直し計算をします。引き直し計算によって減額された元本をもとに分割して返済していくことになります。
特定調停はあくまで双方の話し合いによる特例の調停ですから、話合いがつかなければ問題解決ができません。一定の返済をすることが前提となり、まったく返済の目処が立たないという場合には話し合いで合意できる見込みはないので、この方法はとれません。債権者の中には特定調停に対して必ずしも協力的でない対応をする者もいらっしゃい ます。
合意が成立し、この合意内容を調書に記載することで、その記載は確定判決と同一の効力がありますので、債務者としては、これに従って弁済すればよく、それ以上の取立てを受けることはありません。

特定調停のメリット

  • 引き直し計算により借金を減額できる
  • どの債権者と合意するのかを自由に選択できる
  • 手続が簡単で、費用も低額である
  • 他の債務整理手続きに比べて早く解決できる
  • 借金の理由を問わずに申立てができる
  • 裁判官と調停委員が債権者との調整をしてくれる

特定調停のデメリット

  • 債権者を調停に参加させる強制力がない
  • 信用情報(ブラックリスト)に掲載され、一定期間の借入ができなくなる
  • 調停成立後、支払ができなくなると給与等の差し押さえをされる可能性がある
  • 債権者ごとに手続きが進行する
  • 裁判所・調停委員によっては債権者に有利な対応を取ることがあり申立人に不利な調停内容になる場合がある

特定調停を利用できる方

  • 減額後の借金が3年程度で返済できる金額の方
  • 継続して収入を得る見込みがある方
*特定調停の手続は、各簡易裁判所により運用が異なる場合がありますので、手続詳細は管轄の簡易裁判所に確認する必要があります。

任意整理との違い

特定調停は、サラ金などの借金で「支払い不能に陥るおそれのある債務者等の経済的再生」のために、簡易裁判所の調停委員が間に入って、債権者と借金額や支払方法の変更について話し合う債務整理方法であり、「裁判所で行う任意整理」と考えることもできますが、任意整理は弁護士や司法書士などの専門家が裁判所を介さずに各債権者と交渉 を行いますが、特定調停は、裁判所が債権者と債務者の間に入って債務整理案を作成していくところが大きく違います。
また、調停が成立すると調停調書が作成されますが、この調停調書は確定判決と同じ効力が認められていますので、調停成立後に支払いができなくなると債権者は訴訟を提起することなく、直ちにこの調停調書に基づいて給与の差押え等の強制執行手続ができるので注意が必要です。
よって、調停が成立したからといって安心するのではなく、その後の返済期間は支払いが滞ることがないようにしっかり返済を続けていく必要があります。

債務整理の専門家検索の上部へ戻る